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年末年始(12/30 ~ 1/4)、慶應義塾の休日(1/10)

パーキンソン病

研究班紹介:パーキンソン病グループ

“パーキンソン病の臨床研究をすすめ、パーキンソン病に苦しむ患者さんに対する医療の向上に貢献する”ことを目標に臨床研究を行っています。

先進的MRI撮像法と解析法を用いたパーキンソン病の診断と病態解析

かつてはパーキンソン病患者さんの頭部MRIは“特異的な所見がない”ことが特徴とされており、MRI撮像の目的は他疾患の除外が主でした。しかし、近年、高磁場MRI機器の登場、先進的な撮像法(シークエンス)の開発、その後の画像解析技術の進歩によりパーキンソン病に特徴的な所見を頭部MRIでも捉えることができるようになってきました。本研究ではパーキンソン病の診断に役立つ、進行(重症度)の判定に有用な神経画像バイオマーカーの樹立を目指しています。パーキンソン病は社会の高齢化に伴い、今後患者数の大幅な増加が見込まれています。診断・進行バイオマーカーの樹立は患者さんへの適切なケア・治療につながる重要な課題であると共に、将来の疾患修飾療法の開発にも重要と考えています。また、将来的にはパーキンソン病の病態機序解明に役立つ、治療に還元できる知見を見出すことを目標にしています。具体的には拡散MRI(neurite orientation dispersion and density imaging (NODDI), Free water imaging)、神経メラニン画像、磁化率強調画像、安静時機能的MRIなどを撮像し、解析を行っております。

パーキンソン病に関する多施設共同臨床研究

2008年度から慶應義塾大学病院および関連医療施設で診療を受けているパーキンソン病患者を対象とした多施設共同の臨床研究を行ってきました。これまでに計18施設、1078例の患者情報がデータベースとして統合され、そのスケールメリットを活かした臨床研究を行い多くの成果(例:腰曲がり、レム睡眠期行動障害、nonmotor fluctuation、認知機能に関する研究)を発表してきました。今後も関連医療施設と協力し、“パーキンソン病患者さんの医療の質向上に寄与しうる”臨床研究を行っていきたいと考えております。

また、当院では他大学と共同の臨床研究も多く行っており、all JAPAN体制でパーキンソン病医療の質向上に尽力していきたいと考えています。

パーキンソン病に対する最適なチーム医療の実現に向けて:パーキンソン病専門看護師(PD nurse)の育成

パーキンソン病の症状は、従来考えられていたよりもずっと多彩で、治療も複雑化しており、最適な医療、看護、介護の提供には高い専門性が求められています。パーキンソン病患者さんの生活の質(QOL)改善のためには医療・看護・介護の連携が必要であり、多種類の医療職による集学的アプローチ(チーム医療)が重要です。パーキンソン病ケアに関する高度な知識を持つパーキンソン病専門ナース(PD expert nurse)にはチーム医療の中心としての役割が期待されています。英国をはじめとした諸外国ではすでにPD expert nurseの育成が進み、チーム医療の中心メンバーとして活躍しています。日本ではまだパーキンソン病に特化した認定・専門看護師資格はありませんが、パーキンソン病関連学会では「パーキンソン病専門ナース」の育成に力を入れています。当院でも看護師さんに対する教育を積極的に行っていきたいと考えております。パーキンソン病の看護に興味がある方は是非お声がけください。

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