【論文発表】PD-1 myopathyの包括的検討
2019.08.30
関守信先生を筆頭著者とする論文 “Inflammatory myopathy associated with PD-1 inhibitors”がJournal of Autoimmunity誌に掲載されました。
論文題名：
Seki M, Uruha A, Ohnuki Y, Kamada S, Noda T, Onda A, Ohira M, Isami A, Hiramatsu S, Hibino M, Nakane S, Noda S, Yutani S, Hanazono A, Yaguchi H, Takao M, Shiina T, Katsuno M, Nakahara J, Matsubara S, Nishino I, Suzuki S. Inflammatory myopathy associated with PD-1 inhibitors. J Autoimmun 100: 105-113, 2019
慶應義塾大学，都立神経病院，東海大学，秋田大学，一宮市立病院，慈恵柏病院，埼玉医大国際医療センター，長岡赤十字病院，岡山大学，湘南藤沢徳洲会病院，熊本大学，名古屋大学，国立精神・神経医療研究センターの多施設共同研究になります。抗PD-1抗体をはじめとした免疫チェックポイント阻害薬はその作用機序から多様な免疫関連有害事象を起こすことが報告されています。神経・筋障害の一つとして筋炎（ミオパチー）が知られていますが、多数例での詳細な検討はなされていませんでした。本研究では、抗PD-1抗体による炎症性ミオパチー（PD-1 myopathy）を発症した19例において、神経症状、検査所見、画像、筋病理、HLA、治療、予後、病態機序など包括的な検討を行いました。高頻度に眼瞼下垂や複視など眼症状を認め、重症筋無力症とオーバーラップを認める症例がありました。筋炎関連自己抗体は全例で陰性でしたが、68％で抗横紋筋抗体が陽性であり、疾患標識マーカーになると考えています。本疾患は既知の炎症性ミオパチーには分類することができない独立した病態であることが明らかになりました。
